「Honda FLEET MANAGEMENTが可能性を広げ、事業拡大を推進してくれた」〜ビルスキルが語る導入のメリットとは?

マンションは、人々の衣食住にもっとも密接な場所です。だからこそ、人々の生活における困りごと、地域貢献、社会問題の課題解決など、広い視点で事業展開が実現できる可能性を秘めています。新規事業を展開するにあたり、ホンダの三輪バイク、そしてHonda FLEET MANAGEMENTを導入くださったビルメンテナンス業を営むビルスキル様は、どのように社内の課題を解決し、この先どのような活用をお考えなのでしょうか。導入のきっかけから今後の取り組みまでを伺いました。
Point
- アナログな方法では品質維持が困難
- 導入後は業務時間が1日1〜2時間ほど短縮している
- Hondaバイクの品質やそれに伴うサービス拡張性も安心材料となった
清掃を主軸に高品質のサービスを提供する株式会社ビルスキル
まずは、御社の事業内容について教えてください。
弊社はビルメンテナンスを主とする建物総合管理企業として、分譲マンション、賃貸マンションなどの清掃から管理人の派遣まで、マンションの清掃業務に特化したサービスを提供しています。売り上げの9割は清掃事業ですが、ビルスキルはマンションの総合管理企業を目指し、不動産コンサルティングおよび仲介事業、設備管理や法定点検なども実施しています。
代表の高橋は、もともと勤めていた不動産の管理会社から独立してビルスキルを設立しました。清掃は必ず人を配置して実施しなくてはなりませんので、事業展開がしやすかったというのも一理あるでしょうが、不動産管理の中でも清掃は品質面でもっとも重要なファクターだと気付き、注力すべきと判断したのだと思います。
掃除が行き届いている状態と粗雑な状態は誰もが感覚的に判断できますが、「品質の高い清掃」とは具体的にどのようなものですか。
人々が日々暮らしを営むマンションという場所は、衣食住と非常に密接な関係にあります。その点を大前提として、私たちは1日24時間の中でも限られた時間帯で業務を行わなくてはなりません。
清掃の品質は、スタッフによってどうしても差が出てしまいますので、スタッフを教育して、マネジメントして、適正化を図る必要があります。清掃は誰にでもできる仕事ですが、センスの良し悪しが明確に現れるものでもあるんです。物の見方や捉え方、現場を見て清掃の起点と終点を即座に判断できるスキルを教育の中へ落とし込むには? 誰もが一定のレベルで、高水準な品質の清掃を実現するには? これらは私たちにとって永遠の課題です。
それに、清掃業界は高齢化が進んでいますから、体力面での課題や労務管理など、品質を一定に保つには高齢スタッフへの手厚いケアも欠かせない要素です。弊社では高齢者を多く採用していますし、5年、10年と時間が経過するとともに社員の平均年齢も上がっていく。来たる労働人口の激減などを考慮すると、いずれスタッフ不足で清掃業務を行えなくなってしまったり、欠員が出てしまったりすることも考えられますので、若手人材の採用を強化しています。
清掃業界はまだまだレガシーでアナログな部分が多く、現場で手取り足取り教えてあげることがほとんど。この方法が最も有効でしたので長らく続けてきましたが、契約件数も多く、1日何百件も回りますから、管理者が1件1件確認して品質を維持するのは物理的に困難なことです。ですから、Honda FLEET MANAGEMENTを活用して、事務所にいながら現場の状況を把握したり、指示を出したりして、品質を維持できるようにサポートし、最終的には会社全体でDXの推進に取り組み、品質向上と業務効率を同時に実現していきたいですね。

業務の効率化と最適化を実現!
実際に「Honda FLEET MANAGEMENT」を利用してどのような変化がありましたか。
新規事業として、三輪バイクで清掃の巡回をしたり、時間を問わずゴミの搬出・搬入をしたりする事業をスタートしたのですが、当初は最適なルートを考えずに現場のシフトを組んでいたため、管理も不十分で非効率な状態でした。中には、頻繁に北から南までにおよぶ広範なエリアを担当して、移動だけに多くの時間を割いているスタッフも。それが、Honda FLEET MANAGEMENTを導入したことで、現場の効率化と業務の最適化が実現できるようになってきたのです。
導入後は、案件規模を考慮したうえで、無駄な移動時間をなくし、ぐるりと円を描くように訪問できるようシフトを組むようになりましたが、どうしても対応すべきケースもありますので、そこは柔軟に対応するようにしています。
具体的な成果がございましたら教えていただけますか。
夜間部のスタッフは、就業時間が深夜0時から翌朝8時までになりますが、所々で休憩を取りますので、結果として終業時間が朝の9時や10時になっていました。ゴミ出しは朝8時までと行政のルールで決まっていますし、重視すべきは時間を守り、予定通りに業務を完了させることです。そのため、労働環境を改善し業務を効率化させ、定時きっかりに終業することが第一の目標でした。
Honda FLEET MANAGEMENTの導入後は早ければ朝7時ぐらい、平均しても朝8時には終業・解散できるようになりました。2時間ほど時間が削減できるようになったのは、非常に大きな成果ですね。
それはすばらしいですね!毎日2時間を積み重ね、月間、年間で見ていくと大幅な時間削減になり、スタッフにとっても働きやすい環境へと変わっています。
現在は主に管理側で利用していますが、勤務時間超過や現場への到着遅延など、さまざまな課題が改善していると実感しています。

導入の決め手は事業との親和性、サービス拡張への期待
このような動態管理システムを導入する際によく聞くのが、現場から反対を示唆する意見です。しかし、ビルスキルさまは本来の目的が監視することではなく、就業者の労働環境改善や事故の削減を目的に導入されていますので、その思いが伝わっているのではないでしょうか。
そうですね。導入を決めたのは、新規事業との親和性が高く、さらにその先の事業展開にも活かせると感じたからです。先行投資の意味合いが強かったですね。それに現在、使用しているのもHonda社の三輪バイクですから、同じメーカーのサービスなら拡張性が高いだろう、と。新規で始めたバイク巡回事業では関連会社さまへさまざまな提案をしている最中ですが、非常に評判が良く、「これを管理清掃業務の新形態にできますね」と好感触をいただいています。弊社としてもバイクを利活用した清掃管理が当たり前になるように、率先して推進していきたいと考えています。
また、ルート最適化を活かした宅配や買い物代行など、地域の見守り支援サービスの提供もオプションとして考えおり、ビルメンテナンスという垣根を超えてインフラの一部、ライフスタイルの一部として取り入れていただきたいですね。
本社所在地である豊島区は、SDGsのモデル事業推進区として認定されていますので、私たちも「ゴミ出し代行による見守りなどで、高齢者や妊婦さんなどを支援できないか」と、公民連携の企画を提案させていただいているところです。また、日用品から排出される廃プラスチックが問題となっておりますので、それを循環型の容器に変えてゴミの排出を削減することも考えています。「Loop」という再利用できる容器を販売・配達・回収するプラットフォームを展開しているテラサイクルという欧米企業が、今春から日本展開を予定していますので、弊社のバイクを利用して参加することを表明しています。
ビルメンテナンス、バイクによる清掃巡回、社会貢献。Honda FLEET MANAGEMENTはこれら弊社の取り組みに推進力を持たせ、大きなインパクトを与えてくれました。以前のままでは、私の考え方や推進方法が大きく異なっていたことでしょう。
冒頭で御社の事業は衣食住に深く関わっているとおっしゃっていましたが、まさにその通りですね。家庭のゴミを集積所まで持っていくというのは単純な行為ではあるものの、高齢で足腰が弱っている方にとっては非常に負担が大きいものです。そうした方々に手を差し伸べ、生活を豊かにするためにサポートする。衣食住に密接しているからこそ、事業展開の幅は広がりを見せるのではないでしょうか。
清掃業のイメージが、裏方、3K(汚い・きつい・くさい)といったマイナスイメージから未だ脱却できないことに私自身が疑問を感じています。IoTやIT機器で効率化するのはもちろんですが、この仕事のカッコ良さや魅力を伝え、地位向上に向けた活動をもっと活発化させたい。清掃業が社会貢献やSDGsにも深く関わっていることをもっと強くアピールできれば、若年層にも興味を持っていただけるでしょうし、働きたいと思ってくれる方が増えていくかもしれません。
ホンダの三輪バイクをご利用されていますが、多様なバイクメーカーの中でホンダのバイクを選んだ理由をお聞かせ願えますか?
事業を始めるにあたり、同じような業種や競合他社、また、宅配業者、フードデリバリーなどでも三輪バイクが利用されていたことから、商用として利便性が高いのだろうと思いました。同じような三輪バイクは数多くありますが、三輪バイク=ホンダという強いイメージがありましたし、一番有名な車種もホンダでしたので間違いないはずだと。
それに当時、日本郵便が郵便配達に電動車の『ベンリィe:』を利用するというニュースを目にしたことも大きいですね。日本郵政は地球に配慮するという企業活動の一環として、排ガスを減らし、電動バイクにシフトしていくと公表していましたし、私たちとしても社会貢献に寄与できるのではないかと考えて選びました。日本郵政もそうですが、物流や配送は、移動して巡回することが基軸にあります。ホンダさんは異業種とも積極的にコラボレーションされ、自動運転にも積極的に取り組んでいらっしゃる。そういった企業の理念や取り組みにも心を動かされましたね。

清掃を柱に、さまざまな社会課題を解決するサービスを提供したい
今後の展開や目標について教えてください。
来期から新規事業を始めるに伴い、コーポレートサイトやロゴも一新しようと改修している最中です。大きな柱として、バイク巡回事業以外に、「スキルラボ」という研究所を設立し、ビルメンテナンスだけでなく、「クリア タスク」をキーフレーズにさまざまな企業と組んで社会課題や悩みを解する方法を創造していく事業を行います。コンサルティングに近いですが、多様な商品やサービスを通じて社会課題を解決していきたいと考えています。
将来的にはビルメンテナンスを土台に、さらに広大な視点であらゆる社会課題を解決していく企業として成長していきたいですね。