バイクを使った業務の効率化と安全運転を実現するには

新型コロナの感染流行が長期化する中、スムーズに移動でき、密を避けられる二輪車(バイク)の有用性が注目されています。バイクは軽自動車以上に小回りが利くうえ、購入費や維持費も比較的安価というメリットがありますが、運転にはしっかりとした安全への配慮と細心の注意が必要です。
この記事では、バイクの安全運転についてどのような点に注意が必要か、一般的な事故の要因と合わせて解説します。
目次
バイク事故の傾向
バイク事故でもっとも多いのは、ガードレールや工作物との衝突による単独事故です。調査年や地域によって多少ばらつきはありますが、毎年、割合にして40%程度を占めております。原因は速度超過が起因していると考えられます。
自身のバイクと他車や歩行者が絡む事故では交差点での事故が多発しており、特に目立つのは直進バイクと右折中の四輪車の衝突事故、いわゆる「右直事故」です。交差点での事故は注意不足や安全未確認が原因となる場合が多いです。また、発生時間帯別に見てみると、事故の約半数は午後10時~午前7時ごろ、特に午前6時から午前8時の「通勤・通学時間帯」に発生しています。これは交通量もありますが、日の光による明るさの変化も関係しています。
ヘルメットの視界への影響を認識しよう

バイクで公道を走行する際は、必ず頭部を守るヘルメットを装着しなければなりませんが、どうしても視界が妨げられる部分が発生します。とくに頭部をすっぽりと覆うフルフェイスタイプのヘルメットは、未装着時より視界が狭くなるため、その視界の変化を良く理解する必要があります。
しかも、バイクのライダーは運転中前傾姿勢になるため視線が下がりやすく、前方を走る他の車両や障害物の発見が遅れやすいようです。その結果ガードレールや工作物との衝突による単独事故が発生してしまうのです。
また、フルフェイスヘルメットでも正しくヘルメットを着用しないと、いざという時に命を守ることは出来ません。二輪車乗用中の死亡事故において、約4割がヘルメットのあご紐を緩く結束、結束なし等、不適正な着用が原因となっております。
「あごひもをしっかり締める」ことの重要性がわかります。
<h3>運転技術への過信・気のゆるみ</h3>
バイクは四輪車より車体が小さく、機動力がある一方、車体が小さいことから見落とされがちになり、右左折した他の車両が突然現れたりするような状況が発生してしまうのです。自らの運転技術を過信し「大丈夫だろう」と、無理な追い越しやすり抜け走行をするライダーが、大きなダメージを負う事故を起こしてしまうようです。
四輪車等によるバイクの存在見落とし

視界が狭くなること自覚し、無理な追い越しやすり抜けをしていなくても、車体の小さなバイクは四輪車の死角に入りやすく、接触によって二輪車側が重篤な被害を被る事故も少なくありません。特に、トラックやダンプカーなどの大型車は内輪差が大きく、運転席の位置が高いため、死角へ入り込んだバイクに気づくことが難しく、注意が必要です。
また、曲がろうとしたバイクに気が付かず、後ろから来た自動車が接触する場合もありますが、いずれにしろ車両同士の事故は交通量が多く、心理的に焦りやすくなる朝の通勤時間帯によく発生しているようです。
そのため、頭部を守るヘルメットの正しい着用はもちろん、胸部や肘・ひざなど他の部分を保護するプロテクターの装着で、万が一の事故の際に身体への被害を抑えましょう。
事故により亡くなった方が損傷を受けた主部位は、頭部が43.3%ともっとも多く、次いで多い要因が胸部/腹部で32.7%を占めています。胸部に大きな衝撃を受ける事例として、他の車両や構造物、自車のタンク・ハンドル周辺への衝突などが挙げられます。
胸部を強打することで、肺や心臓などの大切な臓器がダメージを受け、最悪の場合、死に及ぶケースもあります。
また、万が一バイクで事故を起こし道路に投げ出された場合、二次的被害に遭わないよう動ける状態であればできるだけ早く車両通行帯から歩道など安全な場所に避難してから、救急・警察へ通報しましょう。
四輪車では同乗者がいれば、ドライバーの危険運転に対し、「危ないよ」と自制を促すこともできますが、バイクは1人で運転する機会が多いため、全てライダーの自覚に委ねられます。バイクを1人で使用するライダーは、いつ・どこへ・いつ到着するか、その日の走行予定を事前に共有する、そして、自動車を運転するとき以上に安全運転意識を強く持つことを徹底しましょう。
バイク事故を減らし、命を守る方法
バイクが死亡事故に発展しやすいのは、ライダー自身の安全運転意識欠如や不注意だけでなく、バイクならではの特徴や他の交通との関係性などが複雑に絡んでいることがお分かりいただけたのではないでしょうか。そして、バイクを業務に使用する場合、組織の車両管理者は車より従業員が危険に晒されていることを理解し、ドライバーの安全を守りつつ効率的に運用する対策を講じることが重要です。
大切なことは、バイクを使用する従業員の安全運転意識と運転技術の向上です。有効な安全運転教育を実施するために、管理者は従業員が普段よりどのような運転をしているか、どのような道路環境に置かれているか、現状を把握するところから始めましょう。
バイクの走行ルートを可視化する「Honda FLEET MANAGEMENT」で事故防止へ
リアルタイムで走行ルートを可視化できるバイク専用の車両管理システム、それが「Honda FLEET MANAGEMENT」です。
現状を把握する1:走行ルートの適正化を図る

地図上でドライバーの現在位置を管理者がいつでも確認できるため、何かトラブルがあった場合も即座に気づき、迅速な対応が可能になります。また、ドライバー一人ひとりの走行履歴が記録されるため、急操作がどの地点で発生したのかを後から振り返り、危険な道路、見通しの悪い道路を把握することもできます。
現状を把握する2:ドライバー一人ひとりの運転特性を知る

事故防止には日常的な運転環境と運転状況を把握することが重要ですが、本システムでは加速・減速の実態を可視化し、運転の癖を把握できる運転特性機能も搭載。3秒前からの速度の変化から、急加速・急減速を判定し記録できるため、普段から安全な走行が出来ているのかを確認することができるのです。危険な急操作が発生した際、設定した通知先へ自動アラートを送ることもできますので、即座に注意喚起が行え、事故の原因を減らすことができます。
まとめ
こうしたツール、機能を活用してあらゆる方向から危険な運転と危険につながる原因を特定することで、有効な安全対策が実施できるようになるのです。非常に便利な反面、死亡事故につながる危険の高いバイクこそ、このように安全を重視した対策へ取り組むべきではないでしょうか。