コロナ禍でフードデリバリーサービスに起こった変化とは? “需要爆増”の裏側で生まれた課題と解決策

新型コロナウイルスの影響により、あらゆる産業が大きな打撃を受けています。その代表とされるのが外食産業で、コロナ禍で経営を維持することが難しく、廃業を決断する飲食店も少なくありません。このような逆風の中、急速に普及しているのがフードデリバリーサービスです。新たにフードデリバリー市場へ参入し、未曾有の経営危機を乗り越えようとしている事業者も多いのではないでしょうか。一方で、配達員による交通事故やトラブルなど、リスクも少なくはありません。
この記事では、フードデリバリーサービスの現状とリスク、さらにはその対策について解説します。
コロナ禍がフードデリバリー市場に与えた影響
まずは、新型コロナウイルスがフードデリバリー市場にどのような影響を与えたのか、統計データをもとに見ていきましょう。
リサーチ会社のクロス・マーケティングが20〜69歳の男女1100人に実施した「食品宅配サービス・フードデリバリーに関する調査」によると、フードデリバリーサービスの利用経験率は約4割。さらにコロナ禍をきっかけに利用を開始した人と、利用頻度が上がった人は、いずれも3割を占めました。外出自粛などによる“巣ごもり需要”の拡大が、フードデリバリー市場を活況にさせているようです。
フードデリバリーサービスの種類は大きく2つに分けられます。一つは豊富なジャンルの飲食店が一挙に集まった「総合型」で、近年街中で自転車による配送中の姿を良く見かける様になりました。国内では総合型のサービスが主流となっており、参入企業も増え、市場は群雄割拠の様相を呈しています。
もう一つは、大手外食企業などが自社のメニューのみを扱う「専門型」です。かねてから宅配メインの業態を貫いてきたデリバリースタイルのピザ店などのほか、ハンバーガーチェーン店なども急速にシェアを拡大しています。また、専門型のサービスを提供する企業が、リーチを伸ばすために総合型サービスに加盟しているケースも少なくありません。

最近では実店舗を構えず、フードデリバリーサービスだけに特化した「バーチャルレストラン」や「クラウドキッチン」と呼ばれる飲食店も登場。また、2021年3月にはフードデリバリーサービス業13社が、業界のさらなる発展と課題解決のために一般社団法人フードデリバリーサービス協会(JaFDA)を設立し、大きな話題を集めました。
フードデリバリーサービスの抱える課題と、解決のためのヒント
このようにフードデリバリーサービスは、人々の生活を支えるインフラとして不可欠なものになっています。右肩上がりの需要に応えるためには、サービスを提供する事業者側の業務効率化も必要ですが、それは簡単なことではありません。バイクや自転車による配送は、具体的にどのような課題を抱えているのでしょうか。

もっとも気をつけなくてはならないのは、配達員の交通事故のリスクです。特にバイクは自動車の死角に入りやすく、走行中も身体が剥き出しになるため、転倒や衝突などを起こすと配達員の身に大きな危険が迫ります。最悪の場合、交通事故によって重大な後遺症が残ったり、命が脅かされたりといった事態にもつながりかねません。企業には徹底した安全管理が求められ、実際に交通違反に対し厳しい罰則や、安全運転指導にも力を入れている管理者も多いことでしょう。
事故は配達員ごとの運転スキルだけではなく、日頃からの交通ルールやマナーへの意識、またその時々の道路状況や焦りや気の緩みといった心的要因など、さまざまな条件が複合的に絡み合うことで発生します。そのため、画一的な教育では、事故を防止できないケースも多いのです。このような課題を解決へと近づけるためには、事故の原因になりそうな走行ルート、配達員ごとの運転のクセなどを細かく把握し、適切な安全対策を施さないといけません。
また、業務効率化の大きな障壁になるのが、リアルタイムでの位置情報がわからず、配達員の行動が把握できないケースです。例えば、配達に出ていったきり予定時刻に戻らず、次の業務が滞ってしまう、お客様から到着時刻について問い合わせを受けたものの、配達員の所在が分からず正確に応えることができないなど、管理者としても、配達員が安全に走行しているのか確認できなければ、不安は募るばかりです。

なかには急なトラブルにより、目的地の近くにいる別の配達員にヘルプの指示を出したい場面もあるかもしれません。その際、配達員一人ひとりに電話やメッセージで現在地を確認するのは手間がかかり、時間のロスも生まれます。リアルタイムでの位置情報がわかれば、お客様への配達やフォローも迅速かつスムーズになり、期待を上回るサービスを提供することにもつながるでしょう。
車両管理システムを活用して安全と業務効率化を実現しよう!
このような配達の課題を解決するために有効なのが、車両管理システムの導入です。車両管理システムとは、車両の位置情報をリアルタイムで確認したり、走行データを蓄積して業務効率化や安全対策に繋げたりできるツールのこと。ここでは二輪車専用のクラウド型車両管理システム「Honda FLEET MANAGEMENT」を例に、その有効性について解説します。
・リアルタイムの位置情報を地図上で確認
Honda FLEET MANAGEMENTでは、バイクのリアルタイムの位置情報を、管理画面の地図上で確認することが可能です。位置情報は10秒ごとに更新されるため、バイクが現在どこを走行しているのか、車載型デバイスのGPSにより高い精度で把握できます。各車両のアイコンからは進行方向も分かるため、どの目的地へどの走行ルートで向かおうとしているのかも一目瞭然。
これによりお客様からの突発的な依頼やトラブル対応にも、迅速に答えられるようになりますし、配達員の“行方不明”問題も解決され、スタッフ同士のスムーズな連携につながるでしょう。サービスの品質が向上すれば、お客様との信頼関係の構築も期待できますし、さらには地震などの自然災害に見舞われた際にも、配達員の位置情報を確認し、安否確認や安全な場所へと誘導することも可能です。

・危険運転から事故を防ぐ!ドライバーの運転のクセを可視化する運転特性レポート
Honda FLEET MANAGEMENTでは、各ドライバーの運転のクセが把握できる運転特性レポート機能も搭載しています。たとえば、急加速・急減速といった配達員一人ひとりの走行データを集計し、レポートとして振り返り、適切な指導が行えるようになるのです。危険運転をしている配達員への指導に役立つのはもちろんのこと、配達員自身も自分の運転を客観的に理解できるため、自ずと安全運転の意識も高まるはず。
また、普段とは異なる運転が見受けられた場合、管理者はいち早く異変に気づき、配達員にフォローできます。危険運転の発生した場所は地図上で確認できるため、頻発するエリアを特定すれば、事前に走行速度を落とすなどの安全対策も施すことができるでしょう。
・ルートの最適化をフォロー。1日の走行ルートを自動記録
走行ルートを自動的に記録できるのも、Honda FLEET MANAGEMENTの優れたポイントの一つです。商品を目的地へと素早く、そして確実に届けるには、走行ルートの最適化が欠かせません。そして、現在のルートが遠回りになっていないか、交通量の多い時間帯は何時頃なのかなど、日々確認とブラッシュアップを続けることが業務効率化につながります。
走行データを蓄積することで、配達員一人ひとりの稼働状況も可視化されます。売上の良い配達員の走行ルートを割り出して仕組み化したり、運転に不慣れな配達員にはゆとりのある走行ルートを提案したりすることもできるでしょう。

ほかにもHonda FLEET MANAGEMENTには、目的地や目安の地点を登録し、近づいた時に通知するジオフェンス機能や、手書きの作業が不要になる自動日報作成機能などが搭載されています。自社に必要な機能を組み合わせて活用することで、さらなる業務効率化と生産性向上を実現できることでしょう。
急速に普及したフードデリバリー市場ですが、まだまだ発展途上です。需要が伸び続ける裏側で、安全性や効率性といったさまざまな課題を抱えている管理者さまは、車両管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ご興味のあるご担当者さまは、こちらから資料をダウンロードください。